2016年公開
アシュリング・ウォルシュ監督
「しあわせの絵の具」

カナダのモード・ルイスという画家を知らなかった。
辛い生い立ちにも関わらず、おとぎの国の花を描き、鳥を描き、命の輝きを描くことにより、人生そのものを理想郷に育てた稀有な方。
その無欲、無心、浄らかな心。小さなおうちの壁が最初のキャンパスとなり、外にほとんど出なかった彼女の想いは、不思議な形で人々に伝わっていき、世界への優しい愛と昇華する。
最初は、フェリーニ「道」のザンパノを想起させるタイプの夫も、可愛らしいモードの暖かさに心の扉が開き、絵に没頭する妻を助け、妻は夫に感謝し、2人の愛の絆によって乗り越えられた人生を垣間見る。
無私の美しさと強さ。考えさせられる。ずっと考えている。

 

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