武生国際音楽祭2021が無事開催され、素晴らしい音楽に満たされた8日間だった。その間は勿論一本の映画も見られなかったが、兄が持たせてくれた小説を一冊読了。


 
ヘルマン・ヘッセ 秋山六郎兵衛訳
孤独な魂





作曲家の主人公、そして、彼に深く関わる登場人物達の孤独な魂のさすらいの記録。
愛されても、愛に報われなくても孤独なのだが、主人公は、喜びも悲しみも同じことなのだと達観する。

小説の中では、音楽が通奏低音のように物語を支えているが、詩的な文章のフレーズは、まるでシューマンの音符を文字にしたような美しさ。
ヘルマン・ヘッセ自身、シューマンをとても愛していて、友人だったピアニストのクララ・ハスキルに、「森の情景」を弾いてくれるよう頼んでは、耳を傾けていたそうだ。

 

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